2024年4月19日金曜日

Pancolar 50mm/f2


M42マウント仕様

このレンズの呼称については様々言われていますが、ここではパンカラーとします。

後年のf1.8とは異なる光学系を持つ初代のパンカラー50mm/f2です。
もともとはビオターの新型として設計された経緯から、光学系は古いダブルガウス型の形質を残しており、描写にも古風が漂います。開放では残存収差の影響の強く残った写りを見せますが、ピントの描線は開放からしっかり出るため、個性が強い一方で収まりの良い写りです。




絞り駆動部にボールベアリングが使用されていたり、絞り値に合わせて被写界深度の指標が動くようになっていたりと、造りの堅実さに加えて凝った仕掛けも盛り込まれたレンズです。

前部レンズに使用に伴う傷が見受けられますが、透過を損ねる性格の傷や曇りは無く、このレンズ本来の描写をお楽しみいただけます。

使用例

・カール・ツァイス・イエナ パンカラー50mm/f2・・・・・20,000円(税込み)

Zeiss Ikon Ikonta 521/16(イコンタシックスⅡ)


テッサー・吊り鐶付き・メートル表記と行き届いた仕様のイコンタシックスです。中判の入門機にも上がりのカメラとしても好適な一台です。

ブローニー判で撮るテッサーは35ミリ判とは別もの-殊に立体感において-で、このレンズの眞面目は大きなフォーマットにこそあると言えるかも知れません。

整備済み。


・ツァイス・イコン イコンタ521/16(イコンタシックスⅡ)・・・・・16,000円(税込み)

このカメラは、最高速1/500秒に限っては必ずシャッターチャージ前に速度設定を行うようにしてください。本品に採用されているコンパーラピッドシャッターは仕様上、チャージ後にシャッター速度を最高速へ設定すると特定の部位に負荷が集中して壊れます。

ニコンF 初期型+NIKKOR-S Auto 5.8cm/f1.4 セット




Fの初期型(641)と5.8cm/f1.4のセットです。

ボディ・レンズともにオリジナルコンディション(後年の部品への付け替え無し)。
ボディ、アイレベルファインダー、レンズいずれも整備済み。

レンズエレメントG1裏面およびG5コート表面に過去の整備時の拭き傷あり。
ファインダープリズム縦線あり(経年に照らして相応の程度)。


ニコンF(初期型)+NIKKOR-S Auto 5.8cm/f1.4 セット・・・・・66,000円(税込み)

ニコンEM+Ai NIKKOR 28mm/f3.5 セット

気軽にフィルムカメラを楽しめるようなセットを組んでみました。


カメラはニコンEM。「リトルニコン」と銘打たれた絞り優先AE専用の小型一眼レフです。ジョルジェット・ジウジアーロによる引き締まったデザインが、そのまま製品コンセプトの説明になっています。

レンズはAi NIKKOR 28mm/f3.5。地味なスペックの広角ですが、昔から良く写ることで知られ、私の周りでもお客さまから友人まで愛用者の多いレンズです。


ニコンEM+Ai NIKKOR 28mm/f3.5セット・・・・・15,000円(税込み)

シグマ スーパーワイドⅡ 24mm/f2.8(ニコンFマウント)

 

ニコンFマウント仕様

18センチまでのマクロ撮影が可能な広角。引きから寄りまでの使い勝手の良さから個人的にも常用している、あると重宝するレンズです。

概して真っ当な写りながら、開放では後ボケとピントの兼ね合いからかやや個性的な立体感を見せる描写も特徴です。地味な存在ですがおすすめです。

・シグマ スーパーワイドⅡ 24mm/f2.8・・・・・5,500円(税込み)

2024年3月26日火曜日

ビフォア/アフター

レンズの整備前後を撮り比べてみました。


ビフォア


アフター

Elmar 10.5cm/f6.3

作業時間分の外光の変化はありますが、こんな感じです。

戦前のレンズはコーティングに頼っていないので、その分レンズエレメントのコンディションが描写を大きく左右します。
その一方で、人間の1世代を大きく超えるような長期的観点から見ると、経年や環境によってやがては劣化するコーティングの無い事は、利点と言えるかも知れません。適切な扱いを受ける環境下においては。

2024年3月25日月曜日

Konishiroku Hexanon 50mm/f1.9

 小西六(コニカ)のヘキサノン50mm/f1.9です。


光学系はG2、G3を分離させた5群6枚構成の変形ダブルガウス型。後ボケから急峻に立ち上がるピントとやや沈んだ濃い色の出方が特徴で、開放では誇張されたような独特の立体感を楽しめます。

手抜きの無い生真面目な造りはややスマートさに欠ける構造。ねじ留め箇所が多く、経年で緩むなど難のある個体を多く見かけるレンズですが、本品は光学系・鏡筒ともに良好な状態を維持しています。

整備済みですので、未整備品の多くに発生している距離環のガタつきや特有のシャリシャリという擦れも無く快適にお撮りいただけます。


・小西六 ヘキサノン50mm/f1.9・・・・・50,000円(税込み)

Pancolar 50mm/f2

M42マウント仕様 このレンズの呼称については様々言われていますが、ここではパンカラーとします。 後年のf1.8とは異なる光学系を持つ初代のパンカラー50mm/f2です。 もともとはビオターの新型として設計された経緯から、光学系は古いダブルガウス型の形質を残しており、描写にも古風...