1950年代のライカのカタログを仕入れた。
昔のライカのカタログや広告には野暮ったい図案のものが少くないけれど、これは一目惚れだった。
寒波の荒天が続く中で紙ものは無事に届くだろうかと案じつつ待っていると、稀覯本でも扱うような厳重な包みが届いた。開けてみると「シュミット リミテッド・トーキョー」と刷られたパラフィン紙が現れた。それをさらに開くと、往時のSLレリーズボタンの広告とともにセロファンの巻かれたカタログが出てきた。製本されているわけでもないカタログ一通になんという仰々しさだろう。パラフィン紙には透かしまで入っている。高級品が名実ともに本当に高級だった時代のカタログなだけある。
数日後の定休日、カタログの額装を頼みに、北方文化博物館内に工房を構える額縁店「インチフレームワークス」を訪ねた。
カタログを出して、同店の水品さんと中村さんに意見をうかがう。
「枠は細身で、木地に浅くニスの掛かった淡めの色味のものを考えています」
「木地だとこんな感じです。ニスで仕上げたものは塗ってから時間が経つと色が濃くなっていきます」
「実際にサンプルを当ててみると、これだと少しぼーっとした感じですね」
「そうですね。締まらない印象になりますね」
「かえって濃い色合いのものが合うかも知れませんね。これはどうでしょう?木地に塗装したものですが」
「良いですね。イメージしていたのとはまったく逆だけど、こうして見るとこっちの方がおさまりが良いな」
こうしてフレームの仕様が決まった。図案の自在な雰囲気から、枠はサンプルよりも微妙に細身に、内側の面を曲面から平面へ変更して、サンプルと同じ塗りで作ってもらう事にした。
「台紙はこの場合は白が良いと思いますが、こちらが純白で、こちらがややクリーム色の入ったものです」
「クリームの方が良いですね。純白は合わないな」
「子供っぽい印象になってしまいますね」
「純白だと、カタログ自体の色もなんだか・・・」
「ピンク掛かって浮いて見えますね」
「・・・そっちの、それは?」
「これですか?」
「これは・・・なんか、同じ50年代の写真誌の背景とかにこういう色が使われてたような・・・」
「あ!その感じ、私、分かっちゃったかも・・・」
「そういうストーリーがあると、俄然見え方が変わって来ますね。それなら断然こっちの組み合わせだと思います」
こうして、台紙は一枚だけ残っていた米国製のちょっと変わった色味のものに決めた。
当初イメージしていたのとはまったく違う仕様での仕立てが果たして「これだ!」というものに仕上がるか、出来上がりが楽しみだ。
















