2024年3月26日火曜日

ビフォア/アフター

レンズの整備前後を撮り比べてみました。


ビフォア


アフター

Elmar 10.5cm/f6.3

作業時間分の外光の変化はありますが、こんな感じです。

戦前のレンズはコーティングに頼っていないので、その分レンズエレメントのコンディションが描写を大きく左右します。
その一方で、人間の1世代を大きく超えるような長期的観点から見ると、経年や環境によってやがては劣化するコーティングの無い事は、利点と言えるかも知れません。適切な扱いを受ける環境下においては。

2024年3月25日月曜日

Konishiroku Hexanon 50mm/f1.9

 小西六(コニカ)のヘキサノン50mm/f1.9です。


光学系はG2、G3を分離させた5群6枚構成の変形ダブルガウス型。後ボケから急峻に立ち上がるピントとやや沈んだ濃い色の出方が特徴で、開放では誇張されたような独特の立体感を楽しめます。

手抜きの無い生真面目な造りはややスマートさに欠ける構造。ねじ留め箇所が多く、経年で緩むなど難のある個体を多く見かけるレンズですが、本品は光学系・鏡筒ともに良好な状態を維持しています。

整備済みですので、未整備品の多くに発生している距離環のガタつきや特有のシャリシャリという擦れも無く快適にお撮りいただけます。


・小西六 ヘキサノン50mm/f1.9・・・・・50,000円(税込み)

Leitz Elmar 50mm/f3,5 ニッケル・1929年(短鏡筒)

    短鏡筒のニッケルエルマーです。


鏡筒ナンバー1、1929年製のライカA型に搭載されていたエルマーを後年ライツでLマウント仕様へ純正改装した個体です。

光学系の明澄な個体。細やかで繊細さを感じるピントの描線と澄んで醒めた色味。ごく旧い世代のエルマーらしい表現を味わえる一本です。


整備済み。


・ライツ エルマー 50mm/f3,5ニッケル・1929年(短鏡筒)・・・・・110,000円(税込み)

Zeiss Ikon 3.5cmファインダー「徳國製」

 ツァイス・イコン製の、非常に珍しい仕様のファインダーです。

オールクローム仕上げ、「徳國製」刻印入り

徳國製の刻字は、かつて中国へ向けて輸出されたドイツ製品に施されたものです。戦前のコンタックスやローライといったカメラのほか拳銃にも彫られたそうで、ドイツ製品を持つことが当時中国でステータスであった事がうかがえます。

使用例

・ツァイス・イコン 3.5cmファインダー「徳國製」・・・・・35,000円(税込み)


Takumar 35mm/f4

 


1957年〜59年に少数製造された、ペンタックス用の最初の広角レンズです。

先の入荷時は光学系について、トリプレット+凹メニスと書いたように記憶していますが、後群の1箇所が貼合に見えるので、テッサー+凹メニスの逆望遠型に訂正いたします。

整備済み。

前後キャップ付属。


・ペンタックス(旭光学) タクマー35mm/f4・・・・・15,000円(税込み)

TRIXAR 50mm/f3.5

 珍しいイタリアのLマウントレンズです。


本品はキナリア・ドメニコ(CD)の製品ですが、同種のレンズはCDがカメラの製造を委託していたAFIOMやグイド・ノニーニ・ミラノ(GNM)でも製造されていた可能性があり、ごく少数しか製造されなかったにも関わらず鏡筒や部品のデザインにはバリエーションが存在します。

Lマウントレンズとしては稀な50mmのトリプレットで、簡素な構成とは裏腹に驚くほどよく写るレンズです。

シャープな描線と明快な色表現、ピントの背後の空間がデフォルメされる点など、素性の良いトリプレット特有の描写を楽しめる一本です。

整備済み。


・キナリア・ドメニコ トリクサー50mm/f3.5・・・・・10万円(税込み)

整備時に戦前/後のライカ、ニッカ、レオタックス、キヤノンの各ボディにて着脱、距離計連動を確認・調整済みですが、製品の性格上、非純正ボディとの組み合わせにおいては相性の出る場合があります。

Leitz “ROSOL” フレームファインダー

 ライツのフレームファインダーです。

35、50、73、90、105、135mmの各視野に対応。欠品している事の多い10.5/13.5cm板も付属しています

使用例

・ライツ “ROSOL” フレームファインダー ROSOL・・・・・8,800円(税込み) 

ビフォア/アフター

レンズの整備前後を撮り比べてみました。 ビフォア アフター Elmar 10.5cm/f6.3 作業時間分の外光の変化はありますが、こんな感じです。 戦前のレンズはコーティングに頼っていないので、その分レンズエレメントのコンディションが描写を大きく左右します。 その一方で、人間の...