2021年11月1日月曜日

Leitz Elmar 50mm/f3,5 ニッケル・1931年(全回転)

古い時代の珍しいエルマーです。

4番鏡筒

本品は、ライカマウントがフランジバック28.8mmの標準化マウントとして規格化された1931年から連動距離計を内蔵したライカⅡ型の発売される翌1932年2月にかけて短期間製造されたものです。この時期のエルマーは標準化マウントに仕様変更されたライカC型用として造られたもので、ヘリコイド終端部は連動カムではなくナイフエッジになっています。

左:通常のエルマー、右:本品



ヘリコイド部にフリクションを掛ける板バネはこの時期のエルマーにだけ見られる特徴です。これはヘリコイドのガタつきを防ぐためという見方もありますが、私は目測撮影の使い勝手の向上を図ったものだと思います。


使用例

前部レンズに経年なりの傷は若干あるものの光学系は明澄で透過の良い個体ですので、古い時期のエルマー本来の醒めて繊細な描写を楽しめます。

整備済み。


・ライツ エルマー50mm/f3,5 ・・・・・66,000円(税込み)

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