フジの大口径標準レンズです。
ライカLマウント仕様
本品はレオタックスカメラに供給されたレンズです。製造時期によって異なる仕様の前・後期に分けられ、いずれも同じデザインながら後期型に当たる本品ではピントノブが追加されています。
また、ヘリコイドは無限〜至近間の回転角が小さいクイックヘリコイドへ変更されていますが、この点は、同時期にやはりレオタックスへレンズを供給していた東京光学のレンズを意識した仕様変更かも知れません。
開放からf4まではふわふわと軟らかく、f5.6以降から急に居住まいを正すような描写を見せる光学系は5群6枚の光変形ダブルガウス型と言われていますが、やや変わったバランスの独自色の強い構成で、写りにもそうした特質が現れています。開放付近の写りの印象に反して、実際にはかなりの高解像レンズです。
整備済み。
・富士写真フイルム フジノンL 5cm/f2 (後期型) 管914・・・・・45,000円(税込み)
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このレンズには極端な蟻腰形状の絞り羽根が採用されているため、羽根油で絞り羽根同士が張り付いた状態のまま使用すると、くびれ部分に負荷が集中して羽根が破断します。絞りの十角形がいびつなものや、同じ絞り値を最小絞り側から設定した時と開放側から設定した時で絞り径や形の変わる個体は絞り羽根の破損や変形が疑われます。