描写の個性と光学性能とが両立した描写。個人的には古今のダブルガウス型の中でも傑出した一本だと思います。
前玉表面に小傷、後玉コーティング面にカビ清掃痕あり。
整備済み。
・東京光学 トプコールS 5cm f2 (Lマウント)・・・・・26,000円(税込み)
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トプコールSは「縦深描写」と呼ばれる写りの立体感を重視した設計がなされています。そのため、このレンズの描写はありありとした実在感を伴いますが、デフォルメされた立体表現のレンズとは異なり、より自然な分だけ一見したところのインパクトは大きくはありません。その一方で、撮るほどに良さを感じさせ、飽きのこないところにレンズとしての完成度の高さを感じます。
まったく根拠の無いあくまで私感ですが、トプコールSの開放付近の描写を観ると、マックス・べレクが設計し、自ら失敗だったと評したズマール5cm/f2で彼が目指した描写と品質は、このようなものだったのではと思います。