2024年9月6日金曜日

旧エルマー備忘

 Lマウント仕様に純正改装された旧エルマー(1926〜28年にかけて製造された、ゼントリンガー工場のガラスを採用していたごく初期のエルマー)で、これまで当店で扱って来たもので記録してきた範疇においては、1本の例外を除くその他すべての個体に共通の番手のナンバーが刻字されていた。

このナンバーは当初はシリアルだと思っていたが、バレルの仕様とナンバーが年代的に合致しないケースが複数あり、また、バレルに併記されている4桁ないし5桁のナンバー(こちらが実際のシリアルナンバー)が年代的に仕様と合致したため、前者がシリアルではないと判った(先述の例外品については、いずれのナンバーも刻字されていなかった)。

こうした事はある程度の数の旧エルマーを開けて見て来た中で分かった事なので、レンズバレルの刻字を記録し続けてきた事は正解だった。

では、シリアルとは異なるこのナンバーは一体何なのか。現時点ではあくまで推測だが、A型から交換式レンズへと改装されたエルマーに対して割り振られた番号ではないかと思う。そう考えると、バレルに併記されている二つのナンバーの一方、つまりシリアルに線が引かれている理由も合理的に説明できる。

旧エルマー備忘

 Lマウント仕様に純正改装された旧エルマー(1926〜28年にかけて製造された、ゼントリンガー工場のガラスを採用していたごく初期のエルマー)で、これまで当店で扱って来たもので記録してきた範疇においては、1本の例外を除くその他すべての個体に共通の番手のナンバーが刻字されていた。 こ...