2021年4月24日土曜日

国産コピーライカが気になる

日本ではバルナック型ライカ、海外ではスクリューマウントライカと呼ばれる主に戦前・戦中に造られたライカは、シンプルで理に適った構造のカメラだったためにかつて世界中で模倣品が造られました。

コピーライカと呼ばれるこうしたカメラは、本家ライカを凌ぐような高品質の物から形だけ似ている安直なもの、機構構造だけを真似てまったく違う外観デザインで造られた製品にいたるまで多彩で、日本においては主として戦後復興期から一眼レフカメラの台頭が本格化する1960年頃までの間に大小様々なメーカーから多くのモデルが発売されました。

今回整備したのも国産コピーライカのひとつで、昭和光機のレオタックスfというモデルです。

日本のコピーライカの多くは比較的早い時期、戦後復興期の後半頃に品質のピークを迎え、50年代に入って以後は合理化が進んで次第に生産効率やコストカットを踏まえた造りへと変わって行きます。

このレオタックスfは1950年代の中頃に発売されたものですが、既に品質や造りは本家ライカとはだいぶ違ったものになっており、材質も加工精度もそれなり。外観はボディダイキャストの製造上の都合からか本家ライカと比べてやや大柄になっています。

そんなレオタックスfですが、劣化したシャッター幕を張り替えて整備をすれば立派にライカ同様の精度が出ます。

1/1000秒も優秀

しかも、各所が調整しやすいようアレンジされた造りになっているので整備作業が非常に楽です。合理化と言っても単にコストカットだけを見たものでないところにメーカーの良心を感じます。


オールドレンズが現代に活躍の場を獲た一方で、そのレンズが着いていたこうしたカメラの多くは革ケースに取り残されがちですが、できればきちんと整備して現役復帰させたいところです。


マニアックなレンズや本家ライツのレンズを廉価な国産コピーライカと組み合わせて撮るなどは、なかなか妙味のある趣向だと思います

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